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Coco de Mer ココ・ド・メール<br/> ～「エデンの園」の世界一不思議な果実
世界でセイシェル諸島のプララン島とキュリューズ島にしか自生していない不思議なこの椰子は、二つのふくらみに分かれ、女性のお尻にそっくりなその形から、その実が流れ着いたインド洋の国々では昔から神秘の実として崇められてきました。モルディブの海岸でこの実が発見されたとき、「海底に生える樹木の実」の伝説が生まれました。海のココナッツ（ココ・ド・メール）、又は双子椰子と呼ばれている不思議なこの実一つに対して、その昔、ハプスブルク家は、フローリン金貨2枚を与えていたといいます。
かつてフランスの探検家やイギリスの将軍たちは、セイシェルのプララン島でこのユニークな椰子の実がなる古代の林を見つけ出し、アダムとイブの物語と結びつけ、このヴァレ・ドメの森こそが「エデンの園」だと信じました。「エデンの園発見」のニュースが伝説となってしまった今でも、現代に残る地上最後の楽園・セイシェルが「エデンの園」であることには変わりがありません。この椰子の木の樹齢は200～400年、中には1000年を越えるものもあります。一年中にわたり燦々と降り注ぐ太陽の光。豊穣な雨の恩恵を受けて常に緑で覆われた島々。暖かい赤道海流がもたらしてくれる海洋動物たちのためのやさしい環境。ここでしか見られない珍しい保護鳥たちの理想の住処。素晴らしい珊瑚礁と花崗岩の岩が縁を飾る、真っ白な繊細な砂のビーチ。この宇宙における屈指の美しさと溢れんばかりの自然の宝物は、セイシェルをまさに現代の「エデンの園」にしています。何世紀もの昔に、悪名高い海賊たちがセイシェルに隠したとされる数々の秘宝とは、このすばらしい自然のことだったのでしょう。
