高地ツアーのご注意

高山病の予防

  • 空気の薄い4,000m前後の高地では、人によって程度の差はありますが、何らかの高度障害が現れます。症状としては頭痛、食欲不振、吐き気、不眠、手足の痺れ等の軽いものから、肺水腫や脳浮腫の様な重度のものまであり、症状が進み重度の高山病にかかると死に至ってしまいます。
  • 初めは頭痛など風邪に近い症状から始まります。ただし、高地を訪れてから最初の1~2日は体が高所に慣れていないため、頭痛や立ちくらみ等の症状が出るのは普通のことで、注意は必要ですが心配し過ぎる必要はありません。数日経っても頭痛が取れず痛みが酷い、顔や手足のむくみが酷い、食欲が全く無い、咳が止まらないなどの兆候がでたら要注意です。
  • 高地に強い人、弱い人、さらに高山病の自覚症状は人によって様々です。高地旅行経験者の感想はそのまま他の方に当てはまることはありません。
    「高山病は悪化すると死に至る」ということを肝に銘じて、正しい知識を持って適切な行動をとれば、安心して旅行を楽しむことができます。ご参加者にお願いする、高度障害にかかりにくくする、また軽度でおさえるための予防法として、以下の事が最低必要です。

①旅行前の体調管理
(風邪気味のまま高地へ上がると高山病にかかりやすくなります)

②高地では深呼吸を心がける
(歩く時もベッドでも。洗髪時は特に注意)

③水分の十分な摂取
(高地では乾燥が酷く、血流が阻害される場合があります。
平地での数倍、水分を補給してください)

④十分な睡眠時間の確保

⑤暖かい服装
(身体が冷えますと血流が悪くなります。十分な防寒具をご用意ください。
平地の何倍もの水圧がかかるため入浴はお薦めできません。)

⑥アルコールは控えること
(最初の2泊は控えていただき、それ以降もほどほどに。)

■ 弊社としては以下の対策をとっています。

①日程の効率よりも高度順応を第一に考えたコースづくり

②客観的に高度順応の状態を毎日、数値で把握するため添乗員が
パルスオキシメーター※(血中酸素飽和度携帯測定装置)を持参

③ツアー中は日々の脈拍数、呼吸数、自覚症状を記入していただき
体調の変調を添乗員とガイドで把握

④複数の宿泊施設の中で酸素設備がある場合にはその宿泊施設を利用

⑤ダイアモックスなど高山病予防に使われる薬を前もってご案内
(添乗員・ガイドともに薬剤師の資格を有していないため、
処方することができませんのでご了解ください)

⑥4000m以上の高地に連泊する場合には現地で酸素ボンベの用意
などの対策をとっています。

  • なお、高血圧等、体調に不安のある方は、お申込み前に必ずかかりつけのお医者様にツアー日程表を見せていただき、ご相談ください。弊社では、お客様のプライバシーにあたる健康診断書の提出を持って参加の可否を決めることは致しません。
    また、 お電話などで弊社にご相談を頂きましても、お身体やご病気に関してはわかりかねますので予めご了承ください。
    ご自身のお身体はご自身で管理されますようお願い申し上げます。もちろん、ツアー中、添乗員やガイドは最善を尽くします。
  • ※指先を切ったり、針を刺したりすることなく、装着するだけで脈拍数と動脈中の酸素飽和度を測定することができます。特に酸素飽和度の測定で高度順応の度合いを客観的な数値で判断する目安となります。酸素飽和度は通常、平地では95%から100%近くまでとなり、高度を上げていくと数値が下がってまいります。

● 高山病にかかった場合

  • 上記の予防を心がけていても、人によっては重い高山病にかかることがあります。高山病の治療法として酸素吸入や投薬が考えられますが、数十分の酸素吸入や治療薬の投与だけでは、一時的に緩和することがあっても根本的な改善には至りません。高山病にかかってしまった場合の最も有効な対処方法は、1mでも多く速やかに高度を下げることです。十分に順応できていない高度で滞在を続けると、体力をどんどん消耗し、高山病を進行させてしまいます。すぐに旅行を中断して、一刻も早く標高を下げましょう。
  • 2度と来ることができないであろう高地秘境旅行では無理をしてしまいがちですが、高山病にかかったら高地から下りること、これが鉄則です。また、高度障害が出ますと自分の体調に関して冷静な判断が下せなくなることもあります。弊社の高地コースでは、毎日、脈拍数、呼吸数、高度障害の自覚症状等を記入していただき、添乗員によるパルスオキシメーターによる血中酸素飽和濃度の測定とあわせて、お客様の身体の変調を客観的に判断してまいります。もし、重大な変調をきたしたと添乗員及びツアーガイドが判断した場合は、それ以上標高を上げることや滞在自体を中止して、すみやかに下山していただきます。ツアーを続行するか離団していただくかの判断は添乗員及びガイドに全権を委任していただきます。
    グループと分かれて病院のある場所や標高の低い場所へ移動する場合、余分にかかった移動費・滞在費・食費・治療費・通訳費用等は、お客様のご負担となりますので、必ず海外旅行保険にご加入ください。高山病の場合は、保険は「疾病の場合」が適用されます。高地のツアーにご参加される方には、必ず海外旅行保険のご加入をお願いします。クレジットカードなどに付加されている保険では、一般的に「疾病死亡」に対しての保険金は支払われませんので、「疾病死亡」「疾病治療」「救援者費用」の全ての項目を含んだ保険にご加入をお願いします。カード会社に十分内容を確認の上、足りない部分を補う保険にご加入ください(弊社までお問い合わせください)。