Column
プラサット・プレアスレイ遺跡

Columnプラサット・プレアスレイ遺跡

カンボジアで、首都プノンペンから西部の町・バッタンバンに向かって走る国道5号線は、トンレサップ湖の南側を通っていますが、その国道沿いで最大の町が、コンポンチュナン(「壺の港」の意)です。

ここからフェリーで、川(サップ川)なのか、湖(トンレサップ湖)なのか、
よくわからない水面を超えて対岸に上陸し、トゥクトゥクに乗り換えて約1時間でプラサット・プレアスレイ(「聖女の塔」)に到着します。

 

ここは、雨季にはトンレサップ湖に浮かぶ大きな島で、乾季の終わりには北側で陸続きになる土地で、日本語で何と言い表すのか、知見がございません。
雨季に島になる場所に寺院や神殿を建設するのは扶南国時代からの伝統です。

真臘国によって作られた寺院なので、その都・イーシャナプラに残る
サンボール・プレイクック遺跡と同じような装飾がみられます。
サンボール・プレイクックは、プノンペンからシュムリアプに向かう
国道6号線の中間の町・コンポントムの近くにある遺跡です。
現在、コンポンチュナンからコンポントムまで車で移動しようと思うと、トンレサップ湖を迂回し、半日以上かかりますが、この2つの遺跡は直線でわずか60kmです。
ともに7世紀のもので、レンガの建築様式や装飾は似ています。

『空中宮殿』として知られるサンボール・プレイクックの独特な装飾も認められ、サンボールのそれよりもさらに精緻です。
誰も訪れる人のいないようなカンボジアの田舎に残された遺跡。
たどり着くまでがたいへんなので、余程のもの好きでなければ、行く必要は無いでしょう。
もの好きな人は是非行くべきです。
トゥクトゥクで通り過ぎる途中の村々も十数年も前の缶詰が売られていたりして楽しいものでした。